ベンチャー・カフェ「これからの『エンジニアリング』の話をしよう」に行ってきました 2

前回につづいて、ベンチャー・カフェ「これからの「エンジニアリング」の話をしよう」のレポートです。ひがやすを氏によるスピーチをまとめます。テーマは「SIerでのキャリア 一般的な話」「SIerでのキャリア ひが氏のキャリア」の2本立てでした。まずは、一般的な話から。

元請けと下請け

  • SIerでのキャリアは元請けと下請けに分けて考えられる

元請けでのキャリア

  • 元請けは大きいプロジェクトを担当する。
  • 元請けに求められるのはパートナー企業をいかに使うかということ。
  • 元請けのキャリアは、まず雑用からはじまる。
  • 雑用の次は打合せに同行して仕様書をまとめる。そして、パートナーに要件を伝えて作ってもらう。できあがったプログラムをテストする。
  • そこまでできれば後は繰り返し。それ以上成長しない。スキルが伸びない。

下請けでのキャリア

  • 下請けではモノを作る。だから、そこそこ技術はつく。
  • しかし、会社が社員を育てる気がない。高いスキルがあっても人月単価が上がるわけではないから。失敗しなければ良い、になりがち。

SIerの業務ではスキルがつかない

  • 元請けでも下請けでも会社は、社員を育てるつもりがない。
  • だから、元請け、下請けのどちらにいてもスキルがつかない。

業界の構造をふまえて、SIerでは企業が社員を育てるつもりがない。だから、スキルがつかないという指摘に、はっとしました。 次に、ひが氏のキャリアのお話です。

キャリアのはじまり

  • 小さい会社に行きたかった。小さい会社ならいろいろ任せてもらえるのでスキルがつくと思ったから。その結果、できたばかりの30人くらいの会社に就職する。
  • 最初は地方の金融機関のシステムを担当した。金融機関のシステムは金融の知識がないと作れない。勉強して、知識がついてお客様と話ができるようになることが面白かった。
  • しかし、ひととおり知識がつくとそれ以上の成長がない。また、モノを作れないことに不安を感じる。何か起きたときに自分で対応できない。自分で勉強するにも20年前はプログラムを個人で自由にできる環境がなかった。

オラクルと出会う

  • とある案件でオラクルを使うことになる。オラクルはオープンな技術である。1カ月でマニュアルを全部読んだ。
  • マニュアルを読破したことで自信がついた。しかし、そこで成長がとまる。
  • ニフティのオラクルフォーラムに常駐して回答を返すことで経験値をつんだ。

Javaをはじめる

  • オラクルのフォーラムのつながりで本を書くことになった。本を書くと経験値がすごくあがる。大変だけど…。
  • 当時は「良いコード」を書くにはどうすればよいかを考えていた。
  • そして、XP(eXtreme Programing)に出会う。良いコードを書かなくても良いんだ。
  • その次は、ではそのプログラミングで何を作れば良いのかがわらない。

seasarをつくる

  • とある人からの依頼で、seasar0を作った。人の役に立つものを作れた。
  • seasar1を作る。しかし、誰もダウンロードしてくれない。ダウンロードしてもらえるものを作りたい。ヒットするものを作りたい。
  • そして、seasar2を作る。
  • 以下略。

ひが氏のキャリア、こうしてまとめてみて、改めて「学び、成長することへの貪欲さ」を感じます。

まとめ

2つの話をあわせると、SIerの業界では、企業が社員のスキル(ここでいうスキルは技術的な意味のスキル、ですよね。)を育てるモチベーションがない。だから、スキルアップについて会社に期待することはできない。だから、自分自身が、どん欲に成長を求めなければいけない、ということかと思います。 SIerの会社は社員に技術面の成長を求めていない、というのはまさにその通りだと思いました。ただ、僕は、SIerの仕事はスキルアップに向かないなんてことはないと思うのです。本人に意欲さえあれば。ひが氏のキャリアはそのよい例ではないかと思いました。 とはいえ、本人の意欲というのもなかなかハンパないですね。ひが氏の話と較べてしまうと、自分はこれまで何をしてきただろうかと考えてしまいます。 今回の記事はここまで。山岡広幸氏のスピーチ、ワールド・カフェでの議論、自分自身の気付きをまた別の記事にまとめていきたいと思います。