自宅のB660 Deskmeetで稼働しているProxmoxのネットワークインタフェースをUSB有線LANアダプタに切り替えました。切り替えの背景と手順を記録しておきます。
背景:DeskMeetのオンボードLANが頻繁にハングする
ここ一か月くらいの間にProxmox VE基盤で動かしているウェブアプリケーションに接続できない事象が複数回発生しました。事象が発生するとクライアントからの通信がProxmoxに到達しなくなります。LANケーブルを一度抜いて挿しなおすと復旧します。
dmesgでログを確認したところ以下のようにエラーが記録されていました。
$ dmesg | grep -i e1000e [102807.519070] e1000e 0000:00:1f.6 enp0s31f6: Detected Hardware Unit Hang:
ドライバがネットワークアダプタのハングを検知していることがわかり、まずBIOS/UEFIで省電力系の機能が無効になっていることを確認、またSR-IOVも無効になっていることを確認、この状態でしばらく様子を見ましたが、同じ問題が再発しました。
オンボードLANの物理故障の可能性が濃厚になったところで、障害の切り分けのためにUSB有線LANアダプタへの切り替えを試すことにしました。以下、手順に続きます。
ネットワークアダプタの切り替え
USB有線LANアダプタを購入。Linux対応と明記していたPlanex製品を選びました。
Proxmoxの現在のネットワーク設定を確認。管理コンソールの「データセンター - pve(ノード名) - ネットワークをチェック。仮想ネットワーク vmbr0
に関連づく物理NIC名(今回はemp0s31f6
だった)を確認。
USB有線LANアダプタをDeskMeet背面のUSB 3.0に接続。以下のコマンドで物理NIC名と接続状態を確認(今回はenx1cc0350781c9
)。
$ ip a 18: enx1cc0350781c9: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000 link/ether 1c:c0:35:07:81:c9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff $ lsusb Bus 001 Device 022: ID 0bda:8156 Realtek Semiconductor Corp. USB 10/100/1G/2.5G LAN
Proxmoxのネットワーク設定ファイル/etc/network/interfaces
を開いて以下のように編集。
変更前
auto lo iface lo inet loopback auto enp0s31f6 iface enp0s31f6 manual auto vmbr0 iface vmbr0 inet static address 192.168.1.100/24 gateway 192.168.1.1 bridge-ports enp0s31f6 bridge-stp off bridge-fd 0
変更後
auto lo iface lo inet loopback auto enp0s31f6 iface enx1cc0350781c9 manual auto vmbr0 iface vmbr0 inet static address 192.168.1.100/24 gateway 192.168.1.1 bridge-ports enx1cc0350781c9 bridge-stp off bridge-fd 0
設定ファイル変更後、systemctl restart networking
でネットワークを再起動。ここまでで設定が完了し、以下は動作確認。
LANケーブルをオンボードLANからUSB有線LANアダプタへ挿しかえてしばらく待つ。3分ほどしてから設定ファイルに記載されている192.168.1.100
にアクセスして疎通できることを確認。
Proxmoxの現在のネットワーク設定を確認。管理コンソールの「データセンター - pve(ノード名) - ネットワークをチェック。vmbr0に紐づく物理NIC名が切り替わっていることを確認。
以下のコマンドでUSB有線LANアダプタ(enx1cc0350781c9
)がリンクアップしていることを確認。
$ ip a 18: enx1cc0350781c9: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master vmbr0 state UP group default qlen 1000 link/ether 1c:c0:35:07:81:c9 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
以上です。問題が解決するかしばらく様子を見ます。