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"Cloud Adoption in 2020"を読みました:これから必要になるスキルはセキュリティと監視

O'Reilly.comのレポート、"Cloud Adoption in 2020"を読みました。著者はRoger MagoulasとSteve Swoyer、出版は2020年5月です。

2020年1月に実施したアンケート調査の結果を分析した内容でした。アンケート調査は、クラウド、マイクロサービス、分散アプリケーション開発とその他の関連領域(DevOps、SRE、AIなど)のトレンドをテーマとし、北米を中心に一部アジア、ヨーロッパを対象の主にIT業界の技術職から1,283の回答を得たとのことでした。

アンケート調査を終えてレポートをまとめようという時にCOVID-19によるパンデミックが発生したこと、社会情勢がすっかり変わってしまい調査をやり直すことも考えたけれど、調査から明らかになったトレンドがCOVID-19に影響を受けることはあってもそれが消えてなくなることはないだろう(Impacted: yes; annulled, no.)と考えてリリースに踏み切ったことが書かれていて、こんなところにもパンデミックの影響が及んでいたのであるなぁ、なかなか大変だったんだろうなぁという気持ちになりました。

ざっくりまとめるとクラウド利用のトレンドは圧倒的だとのこと。88%の回答者がクラウドを利用していると回答しており、今後12ヶ月でさらに利用の度合いを増やす見込み。さらに25%の回答者が来年にはアプリケーション全体をクラウドに移行することを計画している。その中の17%はすでに100%のクラウド移行を完了した10,000人以上の大企業であるとのこと。

興味深いと思ったのは「クラウドへの移行に当たりチームや組織が必要とするスキルは何か」という質問で、トップは「クラウドにおけるセキュリティ (65%)」、少し離れて2位が「監視 (58%)」、その後に「一般的なクラウド知識 、コンテナ、Kubernetes」が続く結果でした。想像するにこの調査の回答者群はすでに88%がクラウドを利用している人たちであるため、「クラウドを使う」スキルはすでに一定のレベルにあるのかもしれません。その上でより最適なクラウド利用を追求するためのセキュリティ、監視への関心という構造ではないでしょうか。

日本におけるクラウドの受容、クラウドへの移行がこのトレンドの後を追うのか、あるいは別の道をたどるのか、興味深いなと思いました。

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